2008年6月23日月曜日

熱帯魚飼育におけるフィルター(ろ過装置)の選び方

熱帯魚飼育にとって欠かせない器具というよりは、
観賞魚飼育全般に欠かせないのが
フィルター(ろ過装置)です。

フィルター(ろ過装置)の役割は、
大きく分けて二つあります。

まず、水槽内で生じる大きなゴミの除去です。
熱帯魚の糞、エサの食べ残し、枯れた水草の一部などを
水槽内から取り除き、もう一つのフィルター(ろ過装置)の
役目でもある生物ろ過を助ける機能です。

もう一つは前記でも述べましたがフィルター内の
ろ材にバクテリアを繁殖させて生物ろ過を
行うことです。

熱帯魚飼育初心者の内は、
物理ろ過を重視してしまいがちですが
実は生物ろ過の方が重要です。

これは熱帯魚水槽の水質でも説明していますが
生物ろ過を行うことで目に見えない熱帯魚には
有毒な物質を無害な物質へと変えて
熱帯魚にとって住みやすい水を作る必要があるからです。

ただし、フィルターによる生物ろ過にも
限界があります。

それは生物ろ過を行うことで最終的に有害な物質が
硝酸塩になってしまい、この硝酸塩そのものは
ほとんど無害ですが硝酸塩が酸性のため、
硝酸塩が増えすぎると水槽の水を酸性に
してしまいますし、硝酸塩は、水草の栄養になりますが
多すぎると水草が吸収しきれず、コケの発生を
招きます。

そのため、フィルター(ろ過装置)を設置しているから
水質管理は万全と思わず、適宜、水替えも行う必要があります。

フィルター(ろ過装置)は、水質管理装置ではなく、
水質の悪化を遅らせる装置であると思っておいて下さい。

さてそのフィルター(ろ過装置)ですが
現在、様々なタイプが発売されています。

上部式、底面式、投げ込み式、外掛け式、外部式など
多種多様なフィルター(ろ過装置)を熱帯魚ショップや
ホームセンターの熱帯魚コーナーで見かけると思います。

性能も価格も様々でどのフィルター(ろ過装置)を
選んでいいか悩む人も多いと思います。

基本的な60センチで水槽で熱帯魚メインに飼育する場合は、
上部式が価格も安く、ろ過能力、酸素供給能力も高く、
メンテナンスもしやすいので初心者の方にはお勧めです。

ただ、上部式フィルターを買われると専用のろ材
(主にウールでできたもの)だけを使われる方がいますが
ウールだけだと物理ろ過には最適ですが
生物ろ過がほとんど出来ませんので生物ろ過ができる
ろ材を下に敷くようにしてください。

補助として投げ込み式フィルターや外掛け式フィルターを
併用するのもいいでしょう。

予算に余裕があれば、生物ろ過の能力の高い外部式フィルターを
使うのがベストでしょう。

最近は、小型の水槽でも使える外部式フィルターも
ありますので小型の水槽のフィルターとしてもお勧めです。

外部式フィルターの弱点として価格が高め。
あとは、酸素供給能力が落ちますので
熱帯魚を多く飼われる場合は、投げ込み式フィルターなどで
酸素供給を補助してあげるようにして下さい。

水草メインの水槽の場合は、上部式では
CO2が逃げやすいので密閉でCO2を逃さない構造の外部式が
ベストです。

外掛け式フィルターは主に小型水槽での利用が
メインとなります。または、外部式フィルターなどの
サブフィルターとしてよく利用されています。
欠点としては、
専用のろ材を使用するためにランニングコストが
結構かかりますし、外掛け式は生物ろ過が弱いので
注意が必要です。

底面式フィルターは安価で底砂をろ材として
利用しますので生物ろ過能力は優れています。

底面式フィルター欠点としては
底砂に埋め込みますのでメンテが邪魔くさいのと
細かい砂やソイルなどは目詰まりをおこすので
使えない点です。

あとは、オーバーフロー方式といわれる
ろ過方法もあります。
ろ過能力は高いですが大がかりな設備が
必要ですので大型魚や海水魚を本格的に
飼育する場合以外は、他の方式でも十分でしょう。

このようにフィルター(ろ過装置)には、
それぞれ特徴がありますので
飼育される環境や予算にあわせて
フィルター(ろ過装置)を選ばれるといいでしょう。

また、違うフィルターを複数設置して
欠点を補って使うのもいいと思います。

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