2008年6月14日土曜日

熱帯魚水槽の水質

熱帯魚を飼う場合に一番注意が必要なのが水質です。

水質が安定していれば熱帯魚は元気に泳ぎ、
繁殖し、長生きしてくれます。

では、安定した水質の水をどうやって作っていけばいいのでしょうか。

まず、水槽に水道の水を入れます。
この時点では、熱帯魚を入れていませんので
ただの水です。

でも水道の水には、消毒のために塩素が入れられています。
この塩素は、自然に蒸発するために一昼夜置いておけば
塩素は抜けてしまいます。

初めて水槽に水を入れる場合は、このように一昼夜置いて
おけばいいわけですが水替えなどの場合は、薬品などで
塩素を中和する必要があります。

塩素を中和する薬品としては、固形のカルキ抜きや
液体の塩素中和剤が熱帯魚ショップに売られています。

テトラのコントラコロラインが使いやすくて
いいと思いますが他の塩素中和剤でもOKです。

熱帯魚を飼ったことがない人でもこの塩素を中和する
作業は結構知っていると思います。

問題はここからです。

この塩素のない、ただの水に熱帯魚を入れて
エサを与えると弱い熱帯魚だとろ過装置も設置しているのに
すぐに死んでしまいます。

中には病気の熱帯魚を熱帯魚ショップが売ったと思い、
熱帯魚ショップにクレームをつける人もいると聞きます。

まあ一部には弱っていた熱帯魚だったケースも
あるかもしれませんが大抵は、水が出来ていない為の
水質悪化によって熱帯魚が死んでしまっているんですが
見た目では透明の水で汚れていない水ですので
水が原因で熱帯魚を死なせてしまったと気づかないんですね。

では、なぜ透明の水で見た目はきれいなのに
熱帯魚は死んでしまうんでしょうか。

それは、目に見えない水質が悪化しているからです。

まず、ただの水に熱帯魚を入れてエサを与えますと
熱帯魚はエサを食べて排泄をします。

するとその排泄物からアンモニアが発生します。
このアンモニアは猛毒で熱帯魚にとって有害です。

その為にアンモニア濃度が高くなってしまうと
熱帯魚が死んでしまいます。

この有害なアンモニアをなくすには、
アンモニアを分解してくれるバクテリアが必要となります。

このバクテリアが水槽内に自然に増殖をはじめるのに、
2~3日かかります。

水槽内全体に増殖するには2~3週間かかるといわれています。

この間に多くの熱帯魚を入れたり、エサを多く与えると
水槽内のアンモニア濃度が高くなり、
熱帯魚に危険な水となります。

では、この2~3日を乗り越えれば安心かというと
そうではありません。

有害なアンモニアはバクテリアによって分解されだしますが
今度は、分解されたアンモニアが同じく有害な亜硝酸に
変化します。

この亜硝酸もバクテリアによりほぼ無害な硝酸塩に
分解されます。

亜硝酸から硝酸塩に分解するバクテリアの増殖も
2~3週間かかります。

このバクテリアによる分解のサイクルが完成されたときが
水ができあがった状態といえます。

およそ一ヶ月から一ヶ月半かかることになります。

では、熱帯魚を入れずに水だけで一ヶ月半おけば
いいんではないかと思う方もいますが
生体を入れないとこのサイクルが完成しません。

ですからパイロットフィッシュと呼ばれる、
アカヒレなどアンモニア濃度に強い魚を60㎝水槽で
2~3匹入れてサイクルを完成させてやる必要があります。

なお、水ができあがるまでは極力、水替えを
しないほうがいいんですがあまりにもパイロットフィッシュが
バタバタと死んでいくようなら多少の水替えはしてやる必要があります。

その為にアンモニア濃度、亜硝酸濃度を知る必要があります。

これら濃度を知る試薬が発売されていますので
用意されておく方がいいでしょう。

また、熱帯魚を飼っていると水槽の水は最初中性ですが
酸性やアルカリ性に傾きます。

pHという単位で表します。

大抵の熱帯魚は中性から弱酸性が好みで極端に
酸性やアルカリ性になると弱りますし、
熱帯魚ショップから熱帯魚を購入してきた場合、
飼育する水槽のpHに合わせてやらないと
弱って死んでしまいます。

その為にpHを計る試薬も用意しておく方がいいです。

水ができあがっても水替えを怠ったり、エサを与えすぎたり、
熱帯魚をさらに多く飼育したりすると水質はすぐに
バランスを崩します。

そういうことを防ぐ意味でも試薬で
水質をチェックすることは、重要です。

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